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お客様からの声、常に動いているコレクションの世界で今、何が求められているか。
レコレクショヌールヘ頂くお問い合わせで、何人かの方から同様のお問い合わせを頂いた場合、または私たちコレクターが皆一様に共通して関心を持つ内容であるケースをご案内しています。

 


「第2次大戦ドイツ軍被服の徽章類固定法のオリジナル性について」−では実際にどう判断するか。
数週間まえに掲載したこのご提案ですが、大変大きなご反響をいただきました。「このドイツ軍被服コレクション特有の固定時期の限定、縫い付けが当時のものかどうか」という判断、さらにすすめて、「不安」と「疑惑」を持たれ、言葉を選ばないで言えば「悩んでおられる方」がこれほどまでに多いとは。レコレクショヌールはこのコラムを掲載するまでは、この問題はコレクションの価値として大変重要な問題だけれども、現実的な推移、また「観察をせずに当初より完璧さを求める」のは実物ミリタリア・コレクションにとって、ある意味で崇高に見えて実際には逆行しているものと考えていました。お客様の一人のご意見によると、「異常なこだわりをもってしまってその中でお金を使いまくり、どんどん気持ちも消耗していってしまう」という現象です。最近は余りにも高額になったのでそれほどその傾向はないのですが、一時顕著だった第2次大戦アメリカ軍のフィールドジャケットなどの「未使用品症候群」とやや近いかもしれません。このサイトを見てお電話いただいた方の中には「考え込むと、眠れなくなる」という声までありました。「苦しんでいる人は多いですよ」というお客さまのご意見を聞いて、また、最近自分に質問してくる後輩コレクターが増えたので何とかしたい、という方もおられ、この問題については「まだまだ」勉強中のレコレクショヌールの担当者ですが、「自分が困ったら、どうするか」という範囲でのご提案をさせていただきます。

この「徽章類固定法のオリジナル性」を自分が判断する場合、レコレクショヌールの担当者がどうするか、ということについてご報告します。しかしながら、これは、レコレクショヌールはこう考える、というご提案であって、すべての疑問がこれが解決できることはないはずですし、特定の個体の条件を保証できるものでもありません。
現在まで、またよく私たちの仲間でよく話す20年近く前、資料も情報もほとんどなかった「ミリタリア中世」では、どうしても人の意見、「人の声」に頼りがちでした。親切な先輩やよく知っているコレクターに物を持ちこんで、意見を求める、というものです。結果は悪いことばかりとは限りませんが、これでは病気の検査のようにいつまでたっても不安は残ります。
ここで「自分自身の判断基準」を構築するようにしましょう。正しい判断はほとんど沈黙の中です。
1)テキスト・ステッチの入手
ミシン縫いが当時の物であるとできるだけ多い複数の人が認める徽章固定がされた、程度が悪いが、安い、または不人気な形式で安い、という例を1点買い求め、これの固定方に類似したもの、さらに進めて、これに近いものを自分の水準ラインとして採用し、他のものの観察をする、という方法をお薦めします。レコレクショヌールは今でもこういった被服を何点かもっています。
2)糸と生地の同化
やや観念的な表現になりますが、毛であれ、コットンであれ、素材は元素材を裁断して、それを糸でつなぎあわせたものです。これは固定ではなく、「つなぎとめているだけ」と考えられ、これを糸が辛うじて留めている。(止めて、ではなくて留めて)それぞれの小さな生地素材は別のものなのですから、服が完成したあとは離れてばらばらになろうとする。糸はそれを何とかつなぎとめようとする。着用すればするほど、また、「糸と素材」は食い込み、別物であるが故に同化してゆきます。これは生地-
と紙-の違うところで、「パンを中華麺で縫ってつなぎとめているようなもの」、それが押したり引っ張られたりしているうちに同化してゆく。ミシンは生地に穴を開けて糸を通過させて行くという、かなり無理な力がかかるものです。縫い上げた当初は糸は生地の@穴から出て、次の穴へ行くまでの糸の盛り上がり、A個々の穴は縫製直後とその後では徽章が伸びて、締まって変わりうる、などという「目安」で判断に近づいてゆくことを目指します。ここでよくなかば諦め気味に「当時のミシンを使って、当時の糸で縫われたら、判別不能だな」というコレクターがいます。これはかならずしもそうとは限りません。レコレクショヌールはある善意の外国人コレクターがこの実験をしてみた例を見ました。この一見すっかり騙されそうな条件で縫っても、実際には「糸は浮かび上がって見える」ことに驚いた記憶があります。ご自身でこの感覚をつかむならば、自分でミシンを使って、何か布の上に2本糸を走らせて縫う、そしてそれを2つに切って1枚はそのまま保管し、もう1枚は引いて伸ばして力を加え、洗濯もしてみてしばらくしたことろで比べ見て、この糸と生地の同化、の感覚を見てみてください。この場合、視覚だけでなく、触覚が重要なことも忘れないで下さい。
3)対象との間に、距離をとって観察する
縫製の状態を判断する場合、拡大鏡で襟の裏などをじっと見る、こともしますが、次に2メートルほど距離をとって対象を観察してみてください。目の前10センチではわからなくても、意外なことに距離をとると、襟章などの徽章類が浮かび上がって見えてしまうことがあります。当時の徽章が固定されたものは、その60年前の職人がミシンで徽章を固定してから、全く同じ時間と空間を過ごしてきています。この間全く同じ酸素、光線、湿度の環境下にあったわけですから、いかに状態が良いものでも色あせ、また退色、経年変化を起こしているわけで、これが保管方法や場所が違う徽章と服を固定すると、距離をとってみると色調に不自然さが現れることがあるのです。これは同じように経年変化をして、光線の吸収の具合が似通っている、かそうではないか、という視覚による判断です。これは肉眼では解らなくても、写真を撮影すると明らかに認識されたりすることがあります。
以上の3点を併用して、より良い判断をしようと努力するわけですが、完璧な判断は難しいでしょう。最終的には、どんな真贋判定でも最も重要なものは「常識」ではないでしょうか。また、お問い合わせの中に手縫いの実物性についての判断基準もありました。さらに難しいものですが、まずは1)のサンプル方、判断基準の個別化がよいのではないでしょうか。実はそれでもどうしても、確実に、というお問い合わせもありました。しかしながら、ここから先となると、問題は異なります。ミリタリアは良いものを選択して、評価する能力とそれを保管する義務が要求されますが、手縫いの実物性、否、ここではあえて機械縫いも含めて、100%の保証を求めるとなると、その判断能力、というものではなくて、単に「心配ごとを減らしたい」というコレクターのエゴイズムになるのではないでしょうか。コレクションは楽しみと苦しみが共存するものです。ましてや歴史遺物である対象を、タイムスリップして自分に支給されたもの、などというファンタジーを押し付けたら、我々の人生よりも長い60年間を生き抜いてきたコレクションに対する礼節と愛情に欠けるといえるのではないでしょうか。

 

申し訳けありませんが、レコレクショヌールは第2次大戦屋外イベントへの参加は停止しました。

この「コレクターとの会話」のコラムは本来はミリタリアの流通・取り引き事情、コレクターの皆様から伺った、コレクションの世界に起こる様々な出来事についてご報告するべき場所であり、レコレクショヌールのこのサイトはご報告とご提案の場であり、サイトの内容には自分の趣味・趣向・楽しみのような私的な内容は載せない、という方針でおりましたが、この件だけはその原則に背いてしまいます。しかしながら、お電話、メールでお話する方々、催事でお目にかかる方々にこのところ必ず頂くご質問についてのご説明をさせていだだかなくてはならなくなりました。

−「なぜ最近、本栖湖での第2次大戦関連イベントへ出店しないのですか?以前は必ず出ていたのに。」−
大変申し訳けありませんが、レコレクショヌールは本栖湖で毎年11月に行われている、「ウィンターバトル」、通称「ふゆ本栖」への販売屋外店舗の設置 をする参加はおととし01年11月を最後とさせていただきました。これに伴い、以来3年間、不定期に行われる同本栖湖キャンプ場における有志の皆様による各種第2次大戦催事への参加もしておりません。

−「儲からないからですか」−
−決してお金、採算の問題ではありません。いやらしい言い方ですが、これらのイベント参加の結果は全て利益がでております。一度も赤字になったり、ということは一度もありません。主催者の皆様と、参加者のみなさまのおかげです。

−「では何故?」−
レコレクショヌールの参加者も、本栖湖でのイベントが楽しくてたまりませんでした。ただ、どうしてもキャンプをして、営業をして、ということが、大変過酷であり、恥ずかしながら、肉体・精神ともに4年前の時点でもう限界となっていました。ミリタリー好きであるといって、(申し訳ありません、皆様参加者の方が寒い思いをなさっているのに)キャンプが得意、とは限らない、ということをなんとかご理解いただいたい、と切望します。本栖湖イベントは遠くからきてくださるかた、いつもお電話でしか話せない皆様とお話できる貴重な機会でした。屋外店舗を設置するからには、レコレクショヌールのブースでは責任者はもちろん、補佐者にも食事・ゲーム参加は制限させ、きてくださる方と接する時間を最も重要視する、ということを精一杯、行ってまいりました。本栖湖へお越しくださった方々は、最新の発電機と蛍光灯照明の使用により、非常に明るく、またどこよりも遅くまで、深夜1時までもあけていたレコレクショヌールのブースを覚えてくださっておられると思います。「100%全力投球で以前の様にできないなら、しないほうが良い」と考え、3年前に参加を停止しました。

−「もう再開はしないのですか」−
本栖湖でのイベントが始まって、10年近く、本当に楽しい10年間でした。様々な方にお目にかかりレコレクショヌールもそういった方々との交流で学ぶことも多かったのですが、この10年を一区切りとしたいと思いました。今までお世話になった各イベントの主催者の方々には、このとおりの理由を申し上げてご挨拶しました。レコレクショヌール自身はイベントへは行きたくて仕方がありません。ただ上記の「100%でないなら」というけじめはつけてゆきたいと思います。復帰はありません。「卒業」ですか、といって方がおられましたが、それは違います!そんな偉そうなものではなく、単純に「屋外イベントからの引退」です。身勝手な理由ではありますが、どうかご理解ください。今まできちんとご説明せず、申し訳ありませんでした。自分の体力の問題と、キャンプ忌避などということは参加者、主催者に皆様にも失礼なこととなりますので、できれば伏せておきたかったのですが、お目にかかる方がた皆様にこのことをご質問され、申し訳なく思っておりました。これからは、通常の販売業務に全力で取り組んでゆきたいと思っております。
しかしながら、あと数年は同じ本栖湖のベトナム戦争関連イベントはイベントの性格上、参加させて頂きたく思っております。しかしこれも数年も目安にやはり「引退」を予定しています。

 

日本のミリタリーショーへの参加を希望する外国人ディーラーの皆様への英文説明文:お知り合いや個人で輸入をなさる方々がお取引先から質問を受けた場合はこの分をご引用なさってください。

Militaria Shows/Exhibitions in Japan
Recently we quite often have inquiries about shows or exhibitions held and organized in Japan from all over the world. Here we are informing you recent situation of shows/exhibitions relating Militaria sales and exchange. In Japan, there is no show excusively for militaria or collectibles. Like a gun show in USA or die Waffenborse in Germany, militaria sales and exchange is held in a part of toy-gun shows organized in Tokyo. Now periodically organized show in Tokyo, Japan, its name is Black Hole. Black Hole is organized by an Army Navy shop in Tokyo, it has been held three times annualy, in Janurary, the largest, also in May in medium size, and in August fairly large size for over ten years. Some fifty dealers have booth and table, most of them are toy gun or demiltarized gun dealers, so militaria dealers should be one fifth out of the total. The show is held two days on week-end, it counts app. five thousand visitors for the two days. Fee for a normal booth for dealers is six-thousand yen, JYP\60,000, app. US$500 for two days, you have to pay an extra for tables, chairs and coat hanger to rent. We, Les Collectionneurs are happy to help you supplying any information about the shows in Japan, however, we CANNOT apply instead of you to secure a space or sign-up for application. An organizer of the shows in Japan are not always happy to take good care of foreign exhibitors/dealers, so once we commit some agency like work, we would have to do everything from phone call to any kind of translation most of cases. So what we can do is unfortunately limited, you may have to do things needed by yourself.

3月広告掲載アイテムで「最もお問い合わせの多かったもの」は以外にも!


あの高額なドイツ軍ダブルデカールへのお問い合わせも確かに多かったです。最近、「絶滅危惧種」のように一気に国内より消滅したベトナム戦争空挺M1Cヘルメットも毎日のようにお問い合わせがありました。でも実際には:広告掲載日当日に30本のお電話、それからほぼ毎日お問い合わせがあり、総計約60本、2月18日、本日でもいまだお電話をいただいているのが「朝鮮戦争初期M48パーカーシェル」価格¥10500です。ライナーは欠品ながら、「緑々ーみどり・みどり」とした新品状態の外装、まだ光が反射するアルミジッパー、全く毛がぬけていないフードの毛皮(ファー)、手付かずのタグ。そしてお問い合わせで皆さんが聞いてこられたフードの内蔵ワイヤーも折れていない、という、おおげさではなくて「奇跡」ともいえる状態と価格でした。この品物はレコレクショヌールが力を入れている「アメリカ軍被服域外入手」によって入手したもので、入手先はベルギー人個人コレクターで、コレクショヌールが払ったお金は45ユーロ(日本円で約6750円)でした。「これってアメリカでは100ドル以上絶対するよ。」というレコレクショヌールの担当者にベルギー人は「知っているよ。Eベィオークションを見てるから。でもそれが俺が買ったお金だから、それでいい。そのかわり、将来第2次大戦日本軍でこういったものがあったら、こちらにまわして欲しい。」「わかった、じゃあ100ユーロ。」「ああ、55ユーロお釣り。」という経過で手にいれ、原価¥6570にいつも頂いている当方の利益50%を載せさせていただいて、¥6750X1.5≒¥10500としたものです。お問い合わせの内容は「私はM48を何万円も出して買ったのに」「ほんとに(いちまんえん?)」「レプリカですか?」などという極端な声もありました。実際には手に入れられたお客様もびっくりの状態。ただ、発送以降は「ごめんなさい、売れてしまっているのです。」と毎回謝ってばかりだったのですが、なかには「私は既に満足の行くものをもっているのだけれども、どういうものだったのか教えて欲しい」という冷静なコレクターの方もおられました。さらには同業者から仲の良い同業者からは「あと何万円か余計にもらえるのに、何でそんなに安く?」とも心配して助言してくれる人もいました。でもコレクショヌールとしてはこの話題となったアイテムのおかげで50人以上の新しいお客様ができました。やった!何万円よくばって手に入れるよりも、50人のお客さまにお電話を頂戴するとしたら、一体、何10万円分の広告をださなければいけないのでしょうか?というわけでコレクショヌールにとっても、とてもハッピィなアイテムでした。今回のアイテムと価格、状態は本家本国のアメリカではまず実現は不可能です。「決して」アメリカ人ディーラーの誹謗中傷を述べる意図はありませんが、こういった品物がもし本国アメリカであった場合、以下のような経緯で価格が決まってゆくことになります。→「原価はいくらであれ」→新品に近い被服が1点見つかった→サイズも人気サイズだし→この前のショーで隣町のジョンが(仮にこの名前がトムでもサムでも)これよりちょっと落ちるレベルのものを150ドルで売っていて売れたから→まず人気のサイズなので30%割増にして195ドルにしよう。→(ここからが問題ですが)それとこれは新品なので40%増にしてしまえ!と原価不明の服が270ドルになってしまうことになります。特にアメリカで顕著なのがこの未使用品「割増」です。アメリカ人は特に綺麗なものが好きで、これはAbsolutely MINT完全な未使用品(デッドストック、というのは古着の世界の言葉です。ミリタリアの世界ではこのMINTまたはUNISSUED、[未支給品]ということが多いです。我々日本人があまりにもデッドストック、という言葉を使うもので、逆に外国人がこの言葉を使うようになっていった経緯があります)なのでこの価格で買ってくれ、ということを言葉にしてよく言われます。この点、第2次大戦ドイツ軍コレクションですと、贋物や他国のものの混入などのこのカテゴリー固有の問題はあるとはいえ、骨董としての意識があるため、新品だからこの値段などということはなく、ましてやサイズが良いから、着れるからといってこれだけ割増、ということはありません。もしドイツ・コレクションでアメリカ軍的な「サイズ割増」をしたら、その販売者はその場で信用を失うことでしょう。この点が我々販売者がドイツ軍コレクションにもつ「部分的」安心感であり、アメリカ軍被服コレクションの辛い部分といえます。最後に言葉としてのデッドストックですが、これを英語のアクセントではなくて、我々日本人の母音を強調する発音をまねた言い方で言われると、うーん、と考えてしまいます。もう10年以上前の話ですが、「こんなものが出回っているんだよ」とアメリカ人同業者に渡されたのは日本のトイガン雑誌のミリタリア・コレクション専門店の広告のコピーとその日本語訳でした。「これを目安に日本人だけではなくてアメリカ人に対する価格も決めている業者がいるんだ。僕はそんなことはしないけど、毎月廻ってくる。日本人の留学生に頼んでいるらしい。」というものでした。繰り返しますがこれは10年前の話です。今はもうそのようなことはないでしょう。

第2次大戦ドイツ軍被服の徽章類固定法のオリジナル性について

当方へ寄せられる第2次大戦ドイツ軍被服のお問い合わせで多いものが、被服につけられている徽章類の縫いが当時のものであるか否かという「徽章固定法・状態の時代の確定ー戦中のものであるか否か」です。これは被服の製造時期と徽章の固定が同時期・同時代であるか、またそういった被服を入手したいが、その遭遇率はいかなるものか、満足できる固定法の固体の価格はどの程度なのか、といったリサーチ的なものから、所有なさるご自身のコレクションの徽章の固定が戦中のものであるかが不明で不安である、どういった観点で判断すればよいかなどといった内容です。これについては様々な事象がありますし、またドイツ軍コレクションは時代とともにコレクション形態が変遷してきています。ここにおいてこの「徽章固定法・状態の時代の確定ー戦中のものであるか」という価値基準も変わってきているので、これについてご報告します。この「徽章固定法・状態の時代の確定ー戦中のものであるか」という長い状況は、英語intact−インタクト(手をつけていない、の意味)とこのあと呼称します。また後半では、ここから発展したドイツ軍徽章の兵科色についての現代の状況をご紹介します。

ドイツ軍第2次大戦被服、特に官給品(カマァシュトゥッケ)フェルトブルゼ、また将校制服(将校制服も呼称法はフェルトブルゼ、です。上級の材質を使っていて、襟部分も官給とは全く異なるのに、です。ある意味、フェルトブルゼ、概念的には野戦服という直接的意味以上のものがあったのではないでしょうか。あえていうならば、決戦服とでもいえるのではないでしょうか。)では、「被服製造時、または製造の途中過程でミシンで徽章類を固定しているものが多い」ということから、「徽章固定法・状態の時代の確定ー戦中のものであるか」という問題が出てきます。このインタクト性は徽章類がミシン固定されていることが多いドイツ軍コレクションのみの問題と苦しみで、手縫いがほとんどの日本軍被服、金属ピン脱着が多いアメリカ軍制服類においてはコレクターは徽章固定の時代を確認する、という作業の「責任」から開放されています。とはいえできれば当時のままの状態でインタクト性の高いものをコレクションしたいのいうのはコレクターの願い。ただこれについては対価を生じるコレクション販売ですので、とりまく事情を良く見ながら判断しないと、無駄にお金を使ってしまうことになりかねません。以下これらの問題を3点に分けて考察します。

第1に、価格的な問題。インタクト性の高い被服は、それが故に高額である、ということはありません。ドイツ軍被服の徽章固定の真贋については第2次大戦日本軍の場合における余りにも非常識な「着用可能被服のサイズ割増」、第2次大戦アメリカ軍被服装備の「未使用品の価格割増」のような非常識な価格の差異はありません。現地買い付け、オークション、リスト販売、過去20年にわたって様々な方法でコレクション入手を図って参りましたが、「徽章固定が当時のものなので、この値段である。」と謳った商品説明を見たことはほぼ皆無です。これを善意に取るならば、そういった価値を販売者が購入者に求めることはない、用心深く見るならば、国際的に徽章固定の真贋性の議論が拒否されている、ということでしょう。つまり、インタクト性の確証責任は購入側に在る、ということになります。もちろん、質問・回答というかたちでのインタクト性に関するやりとりは当然、あります、しかしこれはすべて口頭。訴訟王国の欧米では書いたもので確認をするなど、絶対にありません。あった場合は、当初より責任をとる気はない、ということです。しかし、インタクト性の高い被服に差額を求められるということはあります。正確には、ありました、という過去形なのですが、日本国内では、今はもうそういったこと、そういった販売者は廃業してしまっていませんが、「この服は初付け(しょづけ、といいます)なので4割増です。」という個人販売者はいました。レコレクショヌールの担当者も泣く泣く、当時そういった服を買ったこともあります。今はインターネット時代、海外のコレクション最前線からきちんとした情報が入る現代ではこういった「市場末端価格」的なものはなくなりました。反面、インタクト性に関しては購入者の判断責任というつらい問題は残ります。ヨーロッパ、日本、米国でインタクト被服の問題が議題に上らない反面、このようなこともあります。韓国・台湾は日本のコレクション社会では急激に追走する大変熱のあるコレクターが多いのですが、この地を訪れた際に、地元のコレクター諸氏からは「これは当時の縫い取り付けられた徽章類のついたものなので高く買った。という」実物被服の購入体験談を何度も聞くのです。(韓国・台湾の皆さん、けっして皆さんにご無礼なことを申し上げるつもりはありません!)しかし、この現象も後何年かでなくなってくることでしょう。今、この時点で我々コレクターが考えるべきことは、逆にこのことを利点とし、「徽章が当時の縫いのものに大きな差額を払うことはしない」という前進的防衛策をとるべきでしょう。

第2点に移る前に、ドイツ軍被服への徽章固定法は全てがミシン縫いではありません。実は手縫いもかなり多くあります。またその方法も多数派、少数派、の差があるので以下にまとめてみます。あくまで、いままで無数の被服類を見てきた傾向としてです。例外は必ずあります。
陸軍官給品野戦服・兵用   襟章−ミシン縫い、国家章−ミシン縫い
陸軍将校制服        襟章−ミシン縫い、国家章−手縫い
陸軍野戦帽船形・兵用    コカルデ章−ミシンまたは手縫い、
              国家章−手縫い多数派
陸軍野戦帽規格帽・兵用   一体帽章−ミシン縫い
陸軍将校略帽        コカルデ章−手縫い、国家章−手縫い多数派

空軍官給品野戦服・兵用3種 襟章−ミシン縫い、国家章−手縫い
空軍野戦帽船形・兵用 コカルデ章−手縫い、国家章−手縫い
空軍将校制服        襟章−手縫い多し、ミシンもあり
              国家章−手縫い

レコレクショヌールは依頼品以外の、自由販売品目としてのドイツ軍被服の仕入れの頻度は低いのですが(被服類はインターネットなどで個人でも入手できるので)、お電話のお問い合わせなどで以下のようなものがよくあります。「その将校制服の襟章はミシン縫いですか。」「そうです。」「国家章は。」「手縫いです。」「ミシン縫いのものが欲しいのですが」「?うーん」という会話がよくあります。失礼にない範囲で、「あのー、失礼ですが、将校制服で国家章のミシン縫いをよくごらんになりますか?私はめったにみないのですが」「!そういえば。」という会話はとても多いのです。特に略帽、フェルトミュッツェはその湾曲する形状上、手縫いが圧倒的に多い。ただ、当時の縫いをご希望なさるかたは皆様、「ミシン縫いを」といわれ、困ることがあります。

第2に、問題の原点について考えるべきでしょう。ここから、既述の、「時代の変遷によるインタクト性の価値の変化」への考察に結びつきます。なぜ、「徽章固定法・状態の時代の確定ー戦中のものであるか」という判断をしなければならない、徽章類を付け替えられた被服が存在するか、ということです。まず、戦後、新しいドイツ社会がやって来て、旧体制の象徴である徽章類を引き剥がしたということは、戦争の記憶を早く忘れるためにも、当然のことでしょう。こういったことから生まれた徽章なしの服はやむをえませんし、当然当時の実物としての価値もなんら変わるものではありません。ただ、戦後コレクションの世界が発展してくると、確かに徽章の付け替えという、騙し行為が横行していました。これは、ドイツ陸軍の場合で言えば、銃器に興味をもたれてからこのコレクションの世界へこられる方が多いことから、極端な歩兵兵科への希求度の高さなどから、支援兵科などの被服の徽章を外し、歩兵へ変更する。空軍だと飛行機、とくに戦闘機の魅力からか、通信兵科などは根こそぎ外され、すべて飛行科に変えられました。さらには襟章というと兵科色入りのものが好まれることから、なんとマウスグレーの後期型襟章がそれこそ当時の縫いで付けられていたものがはがされて(あぁ!!なんということ)M44服に!歩兵の兵科色入り襟章がつけられている、というものもありました。ただ、この「兵科差別」は、戦後60年経過している現代では、被服そのものの流通量の減少、また個別流通する徽章類の激減などで、コストがあわなくなった業者がこの行為を控えたこと、さらに重要なこととして、コレクターたちが意識的に成熟し、衛生、通信、輸送など支援兵科にもご興味をもたれる方が増えたことにより、ほぼなくなりました。海外から直接コレクションを購入なさる方はドイツ軍コレクションでは兵科によりそれほど大きな価格の差はない、ということにお気づきのことと思います。近年、「徽章の付け替え」という歴史遺物破壊行為は利益にもならず、またコレクターの意識の高水準化によりなくなった、ということでしょう。このところ、医療・軍医の被服を希望なさることのなんと増えたこと!恥ずかしながら我々が現役でコレクションをしていたころは軍医だ、というだけで誰も、見向きもしませんでした。こうしたことから考え方のご提案、として印象を重視する場合は仮に徽章を付け替えられたもの、「replaced-レプレイスド」アイテムでも歩兵(戦闘の花形は工兵、という方が急増中ですが。)ないし機甲(この機甲も騎兵・装甲偵察などの兵科に人気を奪われている、というのが実情です。これについては後述します。)兵科の被服で楽しみ、インタクト性の高い被服は支援兵科のものでも(しっかりお金を節約して)コレクションに加え、安心感と満足度を得る、というのが現実的な方法としてお薦めしたいことです。印象のよい服で当時の徽章固定をされているものは、一生かけて1枚見つければよいのですから、お金の上でも、精神的にも余裕がでるのではないでしょうか。

第3に、ご自身のコレクションについて。
「自分の持っている服が手縫いで徽章が付いている。」「ミシン縫いなのだが、ずれてついている」「当時の縫いかどうか、自信がない」−というお問い合わせ、ご相談はとても多いものです。まずは、ミシン縫いが全てではない、ということを認識していただいた上で、さらに残る問題は、「徽章を付け替えられた服がなぜ発生したか」という第2項をご高覧いただきたく思います。その上で「徽章の付け替え」が第1の理由、終戦による、歴史のなせることであった、としたら、我々コレクターはまずは自分のところでの保管・保存の義務から、また次世代へその業務をたくす時期がくるまで、「歴史遺物の再現」という義務から、中世の崩れ落ちる壁画の修正をするように、実物ないし代用品の徽章をつけて、当時の状態にできるだけ近づける、というのは当然のことです。これはたとえ一度徽章類をはがされて、裸にされた服であっても、その服が戦後60年間生き残って、我々のまえにあるという軌跡・奇跡(同音異義語です)に対する敬意と礼儀として行うべきことでしょう。既についている服は、その徽章固定状態が悪いようでしたら、修正すべきでしょうし、不適切なものが着いているとしたら、適切なものへ付け替える必要性もあります。言うまでもないことですが、60年間生き残ってきたコレクションはこの先、何百年も生きてゆく権利があり、我々はその永遠の時間のなかの「一瞬の管理人」でしかありません。では、その徽章付け替え状態が第2の理由、悪意によるものだったら、それは我々コレクターにとっては調査不能なことですし、できないことはコレクターとしての「責任外」です。上記と同じように作業をすべきでしょう。それでも徽章取り付けが当時の服が欲しいと考えると、どうにも落ち着かない場合は。自分の持っているコレクション、特に服は他のコレクションに比べてたくさんのメッセージを語るものですし、なんとなく、と購入したものはないはずです。コレクターの実力、技術とは「選択能力」ですから、一度自分のコレクションとして求めたものは、あえてゆうならば結婚と同じではないでしょうか。愛情をもって接してください。それでもどうしても、という場合は離婚、手放すこともあるでしょう。しかし、よりよいパートナーにめぐり合えるよう、結婚継続中の愛情として、上記のような作業はやはり必要といえるでしょう。

最後に、極端に「当時の縫い付け」にこだわりすぎると、アイテムそのものに関する観察眼が鈍ります。あえて申し上げると、当時のドイツの服の構造、ヴァリエーション、特性をつかんでいて深い知識をもたれておられるコレクターのかたは、「当時の縫い」にこだわりすぎたかたには、残念ながら、あまり多くありませんでした。「当時」でもそうでなくとも、1着でも多くの服をご覧になってこられた方には我々販売者が平伏してしまうような観察眼をお持ちの方がおられます。どのみち、極端に当時の徽章固定にこだわるのは我々の時代までです。あと100年もたてば、ほとんどのひとが気にしなくなるでしょう。いま、ナポレオン時代、仮に第二帝政のルイ・ナポレオン3世の軍隊の服で徽章が取り替えられている、と慌てるひとはいませんから。

徽章の話の番外編−ドイツ軍機甲兵科について
機甲兵科は近年、この兵科を求めるコレクターのかたが、ぐっと減られています。「対戦車部隊」は中でも人気をもっていますが、実物の場合のピンクの兵科色の徽章は、どうも以前ほど希望者がいません。現代ではフェルトグラウ、フィールドグレーの野戦服がドイツ軍被服コレクションの中心となっています。とても魅力的ながら搭乗服・黒戦車被服などとピンクの兵科色というのは、どうもフェルトグラウ野戦服と同格ではないようです。これについてどなたか、経験の長いお客様が面白いことをいわれました。これを引用します。「パンツァージャケットは以前よりも通常のドイツ軍コレクションと距離ができてしまったよね。ちょうどアメリカ軍第2次大戦コレクションのフライトジャケットのような。」なるほど、あまりにも強烈な印象の戦車被服は現代の、特に若いコレクターには以前の世代の人々よりも現実感がないのかもしれません。確かに、関東のイベントなどで黒いパンツァージャケットを着ている人はとても少なくなりました。大変魅力的なものでも、現代のコレクターにとっての優先順位は高くない、という例のひとつでしょうか。海外のショーで「おかしいな、何でこのパンツァーの肩章が売れないのかな、といっている業者さんの呟きを何度も聞きました。皆、偶然かもしれませんが、やや年配の業者でした。若めのディーラーは自分の機甲将校肩章を私に勧め、私が断ると、「日本でもやはり機甲は売りにくくなっているの?」とはっきり口にしました。その彼としばらくあとで会ったとき、彼は他人のブースで「P」の金属章を買ってところで、「おいおい、それでなにするの!!」でも人のことです。同じような事象で、レプリカ被服の迷彩服があります。いまや世界各国で生産れているヴァッフェンSSなどの迷彩服ですが、お若い現役コレクター諸氏がよく言われるのは、「迷彩服よりも通常のウール野戦服の手ごろな価格のレプリカが欲しい」ということです。現代のコレクター・リエナクターの方々はコミックマーケットのような資料を重視し、印象の具現化をする方々が多くなっています。迷彩服の優先度はこの現役世代では高くないようです。反面、我々の世代では、供給をする側では、どうしても迷彩服に対する比重が高いものです。つい、だれもが迷彩好き、と誤認してしまいます。イベントではドイツ軍迷彩服を着装する方が減ってきている、という気がするのは我々だけでしょうか。

広告掲載の実物ドイツ陸軍ダブルデカールヘルメットの入手時の状況

今回広告に掲載しているダブルでカールヘルメット、入手地は12月に行きましたドイツにおける仕入れで、ドイツ中部カッセル市で開催されたショーで購入したものです。相手は50代のドイツ人コレクター、価格は1800ユーロでした。ライナーバンドの刻印、チンストラップの先端、ヘルメット裏面頂部の油性黒色スタンプにすべて1937年の年号がはいる完全なインタクト、手付かず品です。当方は原価公開をモットーにしているので、利益50%を固定してお願いしています。この計算ですと、1800ユーロこのヘルメットは(私たちは全て現金で取り引きするのでとてもレートが不利でおよそ1ユーロ≒150円です。)原価で既に27万円!かなり迷いましたが関東のショー、ブラックホールよりも大規模な会場でダブルデカールのヘルメットはこれひとつきりでした。ヘルメット自体が日本のコレクター諸氏に受け入れていただけるものは5点程度でした。当方に限らず、会場中のドイツ人たちもが、あそこの、あのヘルメット見たか?といっているのを耳にしました。この会場に来る前よりこのヘルメットは持ち主とともに知られていて「あのドッペル・ヴァッペンシルデン(ダブルデカール)が売りに出るらしい」と話に出ていました。ショーの最終日に決心して買ったものですが、会場を出るまでに2回呼び止められ、ホテルに帰ったあともわざわざ電話がかかってきて、「あのヘルメットをもう一度見せて欲しい」と乞われたことでも、ドイツにおいてすら、この種のヘルメットが貴重であることが伺えます。

「コレクションの買取」に付いてのご相談に関して

最近、「コレクションを整理したいのでアイテムを買い取って欲しい」というご連絡を多くいただきます。レコレクショヌールではこの買取の希望について、以下のようにご説明しています。
買取の件、本来でしたら骨董商でもある我々は売り、買い、そして交換と全てしなければいけないのですが、当方は現金、はすべて、1点でも多く日本へ海外のものを持ってくるべく、海外での購入にあてるため、大変申し訳ないのですが、今は行っておりません。それともう1点の事情として、日本のお客様の多くは我々販売者が国内で、お客さまからものを買ってそれを商品にすることをとても嫌います。国内で仕入れをすると、信用問題になる可能性がとても多いのです。委託販売でもこれは同様です。レコレクショヌールを信用してご連絡・ご相談をしてくださった皆様には申し訳ないのですが、サムズミリタリヤ主催の東京コレクターズショー、ブラックホールの個人ブース、激震祭などでのブース参加、またはネットオークションでのコレクション販売・換金を計るのはいかがでしょうか。

第2次大戦ドイツ軍被服コレクションに関する状況のご報告−ヨーロッパ出張より戻って

第2次大戦ドイツ軍被服コレクションに関する状況について
ヨーロッパ出張より戻り、何人かの方より被服コレクション、特に野戦服フェルトブルゼの相場と購入に関するお問い合わせを頂いたのでいかにご案内します。何人かの方にお返事申し上げた文面を訂正したものですが、特定の方への文面の引用ではありません。「当方は自由販売品目としての商品(仕入れ)としての被服はあまり購入しません。これらが高額になってきていて、価格があまり現実的でないからです。程度良好、という感覚の野戦服を100とすると、70程度の服で1000ユーロ程度(15万円くらい)です。これに恐縮ながらいつもお願いしている当方の利益50%を加えますと、20万円を越えてしまいます。現実的ではありません。そのため、よほど有利な原価で購入できたものでない限りでは、購入はしません。

被服をご希望のお客様にはまずご自身で国内のオークションや販売催事で入手を試みられることをお薦めしております。それでもコレクションとして理想に近いものを、という方には、価格や状態、こだわりどころを細かく事前にうちあわせをしたあとで出張時に限り、入手を目指す、というかたちをとっています。

またドイツ軍被服では、少なくとも常識的な販売者である場合、「兵科による価格の変化」−歩兵だから、飛行科だから、割増というもの、また「階級によって」−下士官だから高いとか、将校で尉官だといくらだけれども、佐官だと何割増し、というものはありません。(将官は例外)この点、ある程度アンティック、骨董の1部門としてエスタブリッシュメントがなされている。第2次大戦ドイツ軍コレクションならではの安心感があります。(この時期はどうもドイツ軍コレクションが「ナチ」コレクションと呼ばれなくなった時期と一致している様です。)また、第2次大戦アメリカ軍で残念ながら状況により、また日本軍コレクションで顕著な「サイズ割増」はドイツ軍コレクションではありません。これはコレクション内容が高級だから、などという理由ではなく、熱意ある良質・常識的レプロダション産業の功績でしょう。着装と鑑賞・所有の楽しみは実物とレプリカでは完全分業がなされているようです。

今回はご注文・ご依頼で服の購入をしましたが、そのうち、ご依頼主の了解を得て詳細を申し上げてよいものですと、M43野戦服、襟章・国家章つき、肩章なし、程度ー新品を100とすると85程度で原価1800ユーロ(150円として27万円!)、当方の利益50%を頂戴すると40万円!!というものがありました。これはすでにM43を2着お持ちの方のご依頼です。価格に関しては、海外のオークションや店舗のサイトで容易に確認できるはずですので、ご覧下さい。レコレクショヌールの担当者がいくらだ、高いぞ、と申し上げているだけでは何の証明にもなりませんので。例えば前回の出張なのでは服は1枚も買ってきておりません。

 

このところ、WW2アメリカ軍ミュゼットバックが市場でみつからない!レプリカでもよいから綺麗なものが欲しい!!というお問い合わせが多くありました。でも....。

ミュゼットバックは、まず実物の話ですが、第2次大戦実物アメリカ軍コレクションの場合、意外に思われるかもしれませんが最も相場が最も高額なのは当のアメリカ国内なのです。日本の市場では言葉の問題などで仕入れをする業者さんのほとんど(98%)がアメリカ仕入れなので、当然高額になるかと、思いきや、このところ綺麗な状態のM36パックはのきなみ100ドルをこえ、150ドルに達せん、というところで、誰も輸入しない、というのが今現在日本で起きている出来事です。また、ミュゼットバックは靴などと同じように、戦中に限界数量まで生産され、ほとんど100%が支給されつくしているので状態のよいもの、というのはまだまだアメリカ軍第2次大戦装備品が潤沢にあった80年代でもなかなかなく、新品、というものは当初よりありませんでした。この点Tボーンスコップと状況が似ています。またミュゼットバックは一般に思われているようにM28ハバーサックの後継型ではなく、機械化部隊用の簡易代用パックですので(通常では野営具が付けられない等の点、真の後継型は上下分割のM44/45パックです。この点、最近高額なSMG用ショルダーポーチと似ていて、第2次大戦中に突然出てきて子孫を残さず、消えています)必要量を一気に作って、支給しきっているのでおもったほど生産量がない、という説も最近出ています。当方では価格の問題があるので、実物をご希望のお客さまにはまず、オークションや販売催事などでご自身でお探しになることを薦めし、うまく入手にいたらかなかった場合、価格とご希望の状態、またこだわりどころを事前に細部に渡り打ち合わせしたうえで、当方のお願いしたい利益を設定してご了解いただいて初めて、出張時にのみ入手するようにしております。

さて複製品ですが、アメリカでは良質の複製品がこのところ生産されていたのですが、このアメリカのレプリカ生産業に大きな欠陥があります。良質レプリカ生産者は市場に良質な代用品を供給してくれるものの、第1回生産の製品が消費者に評価され、製品が完売したあとは、第2回の生産を行わないことが多いのです。こため、第1回ロットが売り切れると市場に当該の品物が枯渇しし、もとより絶対生産量は実物の何百分の一、何千分の一であることから、実物よりも珍品となり、オークションなどで高値となるという本末転倒な事態も起こります。この点、現代の商業の常識でもあり義務でもある「市場への製品の安定供給」という責任を果たしていません。この点、アメリカのレプリカ生産業者は映画の小道具として大きな利益を得るという背景に後押しされて発展したものの、もとより遊び重視のアメリカ人、レプリカを作っている準備段階では熱中して作業するものの、一度実現してしまうと、お客さまに対しては「さわやかに無責任」というちょっと幼稚な感覚ものぞきます。いずれにせよ、少々時間を置いてじっくり探されてみてください。この第2次大戦のコレクションもリエナクトメント・歴史再現はどうしてもお買い物という切り口ではうまくいかず、急ぐとお金だけが減っていく、という危険性があります。

このところとても多い「ライトウェイト・ラックサックに関するお問い合わせ」のお返事の1例

レクション、といっても季節があるという感覚で、例年この時期になりますとライトウェイトラックサックについてのお問い合わせがとても多くなります。以前コレクションのコラムで書いたようなタイガーストライプ衣料に関するお返事文と同じように、レコレクショヌールではお客さまにご説明した上で、共通内容のお返事に個別内容のご案内をそえてお返事しております。これはその1例です。

以下共通文面によるご案内ですが、Wラックサックの海外での流通価格は¥35000くらい(300アメリカドル程度。コレクション・実用両者に対応できるコンディションを想定したとして)から、状態により50%程度増減する感覚です。遭遇しうるアイテムとしてありふれたものではありませんが、珍品で入手困難、というほどではありません。現地でコレクターや職業販売者と交渉する際には、価格の上下はありますが、良くみかけます。ただ、あのように分離可能なパーツが多いものですから、完全品、というものはやや少なくなるかもしれません。日本の市場に出回らないのは、国内の業者さんのほとんどが通信販売を入手の方法としているからだと考えられます。また、このラックサックが希求されるのは日本でのことが多く、アメリカ人やヨーロッパ人コレクターは日本人に比べるとそれほど興味をしめしていないようです。当方では、販売にあたり、原価の50%程度を利益としてお客様にお願いしています。したがって¥35000原価であればお願いする定価¥49000、といった価格のLWラックサックを販売するようにしています。当方は原価を重要視しており、LWラックサックの場合は¥60000程度(原価¥40000)を上限としており、それ以上の高額なものは仕入れをしません。このことから当方では特別注文、購入依頼をいただいた場合以外で異常に高額となる、「未使用品」は「自由販売目的品」としてあるいは通常在庫として、−LWラックサックに関しては−あつかいません。
中期型、と呼ばれる形式について。現在当方にある中期型とよばれる形式、上方水平ストラップと下方水平(腰部)ストラップの2本のみのものは2点あります。1点は全ストラップオリジナル、もう1点はカーゴストラップ(左右に垂直に1対ある、装備を固定するストラップ)が欠損していたため、実物金具を使用した複製ストラップを代用装着しているものがあります。価格は前者が¥56000、後者が¥44000です。
さらに、日本国内のLWラックサックを巡る現状ですが、過去3年前まではこのアイテムは異常な高値で、新品で12万円!というものがあったとすら聞きました。しかし日本の市場は海外でものが出て行かないため、個人取り引きなのではLWラックサックは¥40000程度で取り引きされており、うまくすると2万円代で入手も可能と聞きます。(お客様より)ヤフーのオークショなどでしばらく探してみるのもひとつの方法かもしれません。当方では6万円以上といった「決定版」的なLWラックサックも仕入れるかたわら、気軽に購入できる、やや状態が落ちるもの、代用パーツを使用しているもので¥20000代のもの、というのも同時に扱うようにしているのですが、5月頃よりこういった廉価版のものがぽろぽろ売れてしまい、少々高めのものしかないのです。「珍しいものなので高いのは仕方がない」という古風なことは言いたくないので余計なことを申しあげました。
ミリタリアは、価格と状態の話でなく、相場や原価などもできるだけ細かくご案内したいと考えているため、つい時間がかかってしまいます。申し訳ありませんでした。レコレクショヌール知野龍太

 


 

レコレクショヌール扱いコレクションのオークション出品に関するご案内

「レコレクショヌールがヤフーオークションに出品します。」とコンバットマガジン誌の広告を通じてご案内してから半年が経過しました。
その間、担当者が驚くほど大変多くのお客様から、いつから開始されるのか、内容はどういったものになるのか、というご質問が寄せられました。本来でしたら広告が掲載された半年前にすぐにこの業務を開始すべきなのですが現在10月末、このように長い時間が流れてしまいました。この間に電話やファクス、またメールでお問い合わせをいただいたお客様には、無駄なお金を使わせてしまい、大変申し訳けないこととなり、お詫び申し上げます。
この遅延はレコレクショヌールの担当者がコンピューターが不得手であることからPC技術者に環境設定を依頼せねばならなかったこと、また10月までは国内各地で多くのイベントがあり、レコレクショヌールの本来の業務である直接販売に終われてしまったことがあります。
さて、ようやくこのほど関連機器の整備が整い、ヤフーオークションへの出品を開始することになりました。つきましては、レコレクショヌールの方針として以下の点を確認します。

1)オークションへはレコレクショヌールの出品物であること、担当者名をはっきりと表示し、単一のIDを使用する。レコレクショヌールのIDは les_collectionneurs_chino  です。これを変更する際にはこのサイトあるいは広告でご報告します。

2)法外に高額な入札結果とならないよう、入札価格に制限をかける。レコレクショヌールはオークションへの出品アイテムは、「良いものを、買い得感の得られる価格で」と考えております。

3)レコレクショヌールが一度オークション上に出品したアイテムはオークションの期間中、レコレクショヌールの販売品から完全に除外いたします。これを販売催事(ショー)や広告、ショールームで販売することはいたしません。

4)オークションといえど原則として「クレーム、リターン」は受ける。レコレクショヌールの通常業務では以前より「現物を見れずに購入する」という通信販売を扱うにあたり、関東圏以遠のコレクターへの配慮を考えておりました。オークションにおける「返品、苦情不可」はレコレクショヌールの出品物においてはありません。

(もう1点)レコレクショヌールの業務形態はあくまでも直接販売です。直接お客様とお目にかかって、また直接お話したりメールをやりとりしたりして確実なご説明をしたうえでご紹介すべきである高額なアイテムのオークションへの出品は、当分の間いたしません。よってしばらくの間レコレクショヌールの出品物は予想落札価格が5万円以下のものに限ることに致します。例としてWW2ドイツ軍の高額なもの、もとより高額なWW2アメリカ軍の空挺関係・未使用品関係、高額なベトナム戦争関連コレクションの出品はいたしません。

コレクショヌールはオークションをコレクターの皆様への有利な条件でのコレクション入手機会のご提供、と考えております。レコレクショヌールの扱いコレクションの入手―仕入れは海外からの直接入手に限っており、当然ですがこれを国内オークションを通じて行い、これを転売することはありません。

このオークション出品に関するお問い合わせもお電話、ファクス、メールなどでお気軽にどうぞ。

 


 

〜コレクターとの会話・9

WW2アメリカ軍フィールドジャケットをめぐる現状

WW2アメリカ軍フィールドジャケット(俗称M41、および初期M38)に関するお問い合わせは、1日1回というと大げさですが、3日に1回はお電話などで必ず頂戴するお問い合わせです。大変恐縮ながら、ちょっと長い話になります。まず、レコレクショヌールにご連絡くださったかたは、当方に問い合わせいただく前にすでにコレクション専門店や個人販売業者にお問い合わせをなさった方が多いことから、一定のレベル以上の状態のよい物で販売目的品のフィールドジャケットはほぼ国内に存在しなくなってきているようです。また、たまたま遭遇しても、その価格の高さに違和感を覚えられたことでしょう!まず、海外における原価についてご案内すると、アメリカにおいて俗称M41と呼ばれるフィールドジャケットは今やかなり状態の悪いものでも200ドル、日本人のレベルに合う極上品はいえば、まず400ドル(5万円ですよ!レコレクショヌールの利益率が最大で50%、そうすると7万5000円!)このことはパソコンで「Eベイ」などの海外オークションでぜひご覧になってください。)、ましてや未使用品に近いものとなると、完全に売り手市場、売り手が「今週末に幾ら欲しいかな」という乱暴な感覚で「それはないだろう、いくらなんでも」という価格をつけても買う人がいて、困ったことにそれが売れてしまう、というのが現状です。**重要事項→WW2アメリカ軍コレクションは実は当の原産国アメリカでの価格が一番高額です。(この点、大戦中・帝国時代の日本軍コレクションの取引価格が日本国内が一番高額、というの事実に似ています。)残念なことに日本へはいってくるミリタリア・コレクションのほとんどが(ドイツ軍・イギリス軍コレクションでも)アメリカ経由なので既述の高額さをもろに受けてしまい、近年では業者が輸入を控えている、というのが現状のようです。レコレクショヌールでは店舗から買わない、高いものは買わない、また高額なアメリカを避けてヨーロッパなどの個人コレクターから購入するようにしてこの価格ギャップを埋めようとしていますが、いつもうまく行くとは限りません。今2004年の現代にアメリカ軍フィールドジャケットを高額な原価も気にせずに買いまくってずらりとならべて、「程度のよいものは高いですよ」と綺麗だけれども大変高い品物をお客様に薦めるのは、今のコレクション進歩時代に合致していないような気がするのです。綺麗なもの、状態のよい物、追求するとその高額さにおいて、きりがありません。また、このフィールドジャケットに魅せられた方々、特に状態のよい物の入手に取り組む方々の特徴は「1枚ではすまない」ということです。納得できる程度のものを入手したあとでも、ほんのわずか状態が上のものを見かけると、また買ってしまう、さらにこれぞ完全品というほぼ未使用品を入手した方ですら、それに迫るもの、またちょっと状態の落ちる物でも、何故か買ってしまう、というシンドロームに陥ってしまう例も多く見ます。レコレクショヌールの担当者もミリタリア販売で生活している業者ではありますが、私たち自身もコレクターです。常にお金では苦労する身です。誰がいくらお金を使おうとその人の勝手、と割りきることはできません。類似した例として、ベトナム戦争コレクションにおいて、たくさんのコレクターが膨大な金額をつぎ込み、また10枚、20枚と類似したものを買ってしまい、挙句の果てににコレクションをやめてしまう、という「コレクター殺し」のアイテムが幾つかありますが、WW2ジャンルではこの俗称M41フィールドジャケットの状態、コンディション競争かもしれません。ちょっと乱暴な言い方ですが、このフィールドジャケットというアイテムは全体において他のWW2アメリカ軍被服類が辛うじて「古着屋さんでのラッキーな掘り出しもの」の可能性がまだ残る「失われたサープラス」の範疇にあるのに対し、フィールドジャケットだけは完全に「被服の骨董品」として家具、ガラス器、銀製品と同じようにひとつひとつのめぐり合いとして探すべきものであるような気がしてなりません。レコレクショヌールでは、フィールドジャケットを探すコレクターの皆様おひとりおひとりとじっくりお話しをさせていただき、ご予算、状態、こだわりどころ、についてしっかりと把握して、宝石と同じようにその人にとって最高の1枚を探し出すようにしております。レコレクショヌールにとって、この作業は、同じWW2のドイツ軍コレクション、迷彩服や野戦服をお客様に代わってお探しすることと、なんら変わるものではありません。

 


 

〜コレクターとの会話・8〜 

サイトのコンテンツについてのコレクター・リエナクターの方々との会話― WW2ドイツ、トラーゲグルテについて」

「コレクションの話2」のトラーゲグルテについてのコラムに関して、メール、お電話で多くのご質問、お問い合わせをいただきました。ほとんどは現物の素材と構造についてのご質問、また実物入手についての難易度と価格の予想についてのお問い合わせでしたが、そのなかに、現在または以前に実物の代用としての「悪意のない」複製品についてのお問い合わせがかなりありました。WW2ドイツ・コレクションではリエナクトメント、また真剣なコレクションにとっても良質なレプロダクションは、「代用ユニット」として必ず必要といえるでしょう。なかでもトラーゲグルテはそういった「意識発展のための」レプリカとしては絶対に必要なもの、といえるかもしれません。しかし少なくとも海外製に関してはこれまである程度の流通量があったものは、ないようです。映画用精密複製品の開発生産で知られるアメリカのSMホールセール代表、マクローガン氏は、日本のマーケットを重要視しており、関東での各販売催事に来日して直販をしてリエナクター、コレクター諸氏に喜ばれています。このマクローガン氏は来日のつど「何か売れるレプリカはないか、次期製品の良いアイデアはないか」と聞いてくるのですが、「トラーゲグルテ?あぁ、イナァ・サスペンダーのことね。問題ない。造ってみよう。」といったまま、数年が経っています。非常に情熱的で聡明な氏のことですから、製作に向けて動いてはいるのでしょうが、どうも製品完成には至っていないようです。トラーゲグルテの自然にアーチをかく構造上、製造コストの問題もあるのかも知れません。絶版レプリカ・代用品の発掘も、実物入手と同様に重要な仕事であると認識しているレコレクショヌールではありますが、今までの海外での取り引き現場では、手作り段階の代用品しか、遭遇したことはありません。しかしながら、ある意味でこの手作りレベルという点から発展させて、このトラーゲグルテに関しては、リエナクター・コレクターがご自身で代用品を作ってしまうのもひとつかも知れません。リエナクトメントが当時の状況再現であるとするならば、トラーゲグルテを取り付けた野戦服で装備を吊ってみて、当時のドイツ兵士が感じた重量を体験し、その量を減らして、または増やして、さらにYストラップ装備時の重量の体感度との違いを意識するのも、リエナクトメントの最重要課題のひとつといえるのではないでしょうか。多くのミドルクラス以上の構造をもつレプリカ野戦服がトラーゲグルテの装着に必要な裏地を再現している、というのも利点の一つでしょう。実際に以前レコレクショヌールが参加した屋外イベントで、本当に簡単な布テープを使って野戦服にザイテンハーケンを付けられておられるリエナクターの方がいらっしゃいました。実はこの方、トラーゲグルテの再現、ということよりも、ちょっと状態の悪い実物フェルトブルゼをリエナクターとして着用なさっておられたので、そのフック通し部分が装備の重みで負担がかかり、破けるのを防止するためにテープを使って造ったとおっしゃっておられました。レコレクショヌールが軽くショックを受けたのは、この方がなんと、「この内蔵サスペンダーは実物を見たことがないが、きっと湾曲しているはず。この自製の代用品のように直線だと、たわんで、肩に食い込んで痛いから」とおっしゃっておられたことです。まさに実践体験による史実へ接近、ミリタリアにもピラミッド副葬品の謎が解けた時のような感動が!といった感動がありますよね。もうひとつ、サイトにうコラムをアップしてしばらくしてからお電話をいただいて、数日後にお目にかかったコレクターの方で、だいぶ以前に海外オークションで購入したフェルトブルゼに付属していたトラーゲグルテについて、意見を聞きたいという方がおられました。お持ちいただいた現物を拝見しましたが、このトラーゲグルテ、寸法は私たちの知っているものとほぼ同一ですが、肩部分とアイレット(はとめ)部分が手縫いで結合されている、全体にストレートの構造のものでした。オーナーの方も資料に載っていないのでコレクター仲間に意見を求めたところ、否定的な見解を述べられた、とつらそうでした。肩部分は織りと厚みから、熱帯向け・綿製Yストラップの素材に近いもの、またアイレットのあいた両端はちょっと薄めのシャツ生地のようなものを折りたたんで手縫いで作ってあるものでした。官給品トラーゲグルテとはだいぶ異なるもので、「実物ではない、と諦めている」といわれるオーナーの方とも正規のものとは異なるという点で意見の一致がありました。しかし「にせもの」という言葉はあいまいなもの、です。この言葉に100%あてはまる流通ミリタリアは意外と少数といえます。この通常と異なるトラーゲグルテも、もう一度よく考えてみると、気になるのは使われている素材がすべて当時のドイツの生産によるものであること、もうひとつはミシンが使われていないこと、です。トラーゲグルテは野戦服のインテグラルな付属品とはいえ、かなりの重量がかかるもの、消耗率も激しいと思われます。また、装備ですぐに手を加えられるのは肩当部分であること、さらに取り外し可能なもの、にどうしてもあるのが紛失の可能性です。このトラーゲグルテが当時の戦地での自作品、といえない理由がどこにあるでしょうか。
このコレクターの方にも官給品トラーゲグルテの入手のご依頼をいただきましたが、今、現時点ではこの代用トラーゲグルテはこのコレクターの方にとっては手にしていて快適な気分でいられるものではないかもしれません。しかしひとたび、コレクター間で共通認識を得ている官給トラーゲグルテを入手したあとは、魅力あるヴァリエーションとなりえるのではないでしょうか。事実、この「私物」トラーゲグルテの話を何人かのコレクターにしたところ、「それを見てみたい」と興味を示す方が2人いらっしゃいました。このお2人がおふたりとも、実物トラーゲグルテのオーナーです。先日、「レコレクショヌールはベトナム戦争のコレクターをよく言いすぎる、持ち上げすぎる」と2次戦コレクターの方にはっきりと言われ、気をつけようと思ってはいるのですが、この点もベトナム戦争コレクションにおける、柔軟性が利用できればさらにコレクション感覚がひろがるのでは、と想像してしまいます。ベトナム戦争では被服・装備・徽章のミリタリア3大ジャンル全てにベトナム現地製、または周辺国製の生産品が存在し、アメリカ本国製と同格またはそれ以上に評価されます。これも当然で最も難題のコレクション対象、タイガーストライプ迷彩服が、インディジィノス(indigenous、土地固有のといった意味)アイテムの代表なわけですし。自動車パーツのように規格がはっきりした官給品以外のものに対する冷淡さがWW2コレクションにはありがちであるようで、以前お客様にお求め頂いた私物・現地製WW2アイテムを最近になって再び拝見すると微妙によく見えたりすることも少ないないのです。

 


 

〜コレクターとの会話・7〜 「オークションとコレクション2]

「オークションのはなし」をアップしたところ、レコレクショヌール担当者が驚くほど大きな反応がありました。レコレクショヌールは2000年以降、国内ミリタリア・コレクションのコミュニティ(共同社会)はコレクションの目標を高く持つコレクターが増加しており、、さらに以前コレクションをしていたが理由があって一時この世界を去っていた人が復帰してくるようになり、そして不況、不景気と暗い話題が多い中にもかかわらず、ミリタリー関係のイベントが各地で多く行われ続けているのも、ヤフーなどの国内オークションの普及がそのポジティブな理由としてあると考えています。
レコレクショヌールは国内オークションの定着はミリタリア・コレクションの向上に寄与していると考えており、オークションの話1で申し上げたとおり、流通量の多いものなどの入手ご希望のお客様にはオークション参加による、ご自身でのアイテム入手をお勧めしております。

知識とコレクターとしての常識育成の道場、オークション

前回の「コレクターとの会話」では「どんどんオークションに参会してコレクターとして腕を磨いて下さい!」という趣旨で書かせていただきました。オークションが普及してから、お客様の質問の内容がだいぶレベルアップされた、というのがレコレクショヌールでも、またディーラー仲間でも一致した印象です。つまりオークションが情報収入の場所として機能している、という良い傾向があるといえます。また、市場に残存数の多い一部の被服類や装備品などは安価で入手できるようです。どなたにとっても出発点となることの多い「ゲームで使うトイガン」に適合した、野戦の印象をもつユニフォーム一式は、日本への輸入総量も多く、また納得して手放す人も多いため、オークションを通じて比較的早くそろうになっているようです。早くベーシックをそろったリエナクター/コレクターは次のゴールを設定してより高度な収集品にチャレンジすることができるようになっているようです。または現在所有しているコレクターのレベルアップ(コンディションやサイズなど)を図るという、以前は何年もかかったプロセスを素早く経過して、1段階上へのステップアップが非常に短期間でできているようです。また「自分で値段を決める」という行為は、長引く不況で以前よりもさらに緊張度の高いものとなっています。ここでは仕事や勉強に準じた常識と判断が必要です。ここで、オークションは最近のミリタリアコレクターおよびコレクションでとても強く感じる「脱遊び・脱おもちゃ」の傾向に貢献しているのではないでしょうか。

オークションは両方向から2度利用し、買い手の不利さを克服する

ちょっといやな言い方ですが、オークションというシステム自体は売り手に有利なようにできています。オークションのオーナー、つまりオークションハウスの主催者の多くは自らは品物をもたず、そのオークションを信頼するヴェンダー(売り手)から品物を預かり、入札―落札を代行するものです。このことはオークションハウスでは品物が集まらないと、入札業自体ができませんから、売り手はこの枠組みに自然と保護されるわけです。アイテムの説明はオークション主催者が責任をもつとしながらも品物の所有者が書くものですし、表現の是非はどうしても売り手主導になりがちです。ではオークションでものを入手するのは不利なのか、ということではありません。少なからざる人がオークションとはコレクション・ショップの代用品と考えてしまって、「買い」に重点が置かれている例がほとんどであるようです。コンピュータの画面を見つめて、入札状況を見るのは大変な労力です。入札をなさるのも今現在、勢いに乗ってコレクションを成長させているコレクター諸氏ばかりでしょうからこの傾向は当然なのかも知れません。が、この状態では、どうしても「ものを持っている人が有利」というコレクション旧体制時代と変わりません。オークションではものを入手する「売り」と処分する「買い」を同時に行ってこそ、参加の意味があります。とはいっても「自分は無駄なコレクションはもっていない」というのは基本ですし、当然ですから「とはいってもねぇ。売るのはなぁ。」と気が進まない、というのもごもっともですが、どんなものでも結構ですから、まず一度「売り」をなさってみてください。実際に販売をするために思考回路をリヴァース、逆方向に入れ替えると、販売者側の論理のようなものが一瞬で理解できて、これは不思議なことに、買い手/購買者としてとても冷静な判断力に結びつきます。衝動買い、失敗が一気に減りますよ。それと当然ながらコレクションとは売り、買い、交換を同時に行うのが理想です。売り・処分でお金が入ればコレクションの予算に余裕ができて生活レベル向上とご家族との関係の良くなるかも?しれません。
(念のためにご説明:ごめんなさい。偉そうなことを書いたあとで申し訳ないのですが、レコレクショヌールはコレクションの買取をしていないのです。販売を通じてなんとかできたお金はすべて海外買い付けの際の現金資金に投入するため、国内で買い取る余裕はなかなかできません。しかし、最近のオークションの普及はレコレクショヌールにとっても少し気が楽になっています。「結婚するのでコレクションを処分したい(これって聞くと、おめでとうございますと言いつつも、ご本人はつらいだろうな、と思ってこちらもちょっと落ち込みます。)」、「WW2のコレクションへ変更する」などの理由でコレクション買い取りを申し出てくださる方は多いのですが、すべてお断りしていました。そこで買取をしてくれるお店を紹介したりもしていたのですが、それも余りうまく行くケースは多くなかったようでした。オークションが普及してからは、ここでの処分をお勧めしたところ、あとでお電話を頂戴し「うまく売れた!」というご報告を頂戴したりするようになりました。ディーラーとしての良心の呵責からも、コレクター諸氏のオークション参加をお勧めし、そこでの成功を応援しているわけです。)
また、このところ、「こういった品物をオークションで手に入れたものだけれど、元の所有者がレコレクショヌールから購入したといっていたので」という電話があり、なんだろうと思うと、「このアイテムに関連した○○が欲しい」といった商品のお問い合わせだったりすることが増えました。このことは物の動きが人から人へ活発に動いていることを意味しており、まさにミリタリアが「正統派アンティック化」してきているといえるでしょう。

もしこのまま国内オークションの普及がなかったらどうなっていたでしょうか。
外国人が「私は日本に少なくとも100着はナイロンのフライトジャケットの良いものを送った。それを買い戻して自国で売りたい。どこへいけば買えるのか。」という質問をしてきたとき、日本人は自分でものを処分することは難しい、というと「何故、オークションがないのだ?」とあきれられました。先日「今はよいオークションができて、流通も安定するようになった。」と外国人に言ったところ、「そうか、これでやっと日本もまともな(健全な)コレクター社会になったな。」と、こちらがちょっとむっとするようなことをいわれました。オークションがなかった時代はそれほど原始的な状態だった、というわけで、売ったら売りっぱなしで品物がコレクターのところに溜まる一方、というのは価値あるものの流通ではない、ということです。つまり良質なオークションがあってこそ、そのコミュニティにおけるコレクションは健全なものになるといえるでしょう。

熱くならずに、「冷却効果」にオークションを

オークションはコレクター自身のカームダウン(冷却剤)にも役立ってくれます。??オークションを見ていたらどんどん品物が売れてゆくのを見てどんどん熱くなって、さらにお金を使ってしまうのではないの??と思われるのも当然ですが、この「冷却効果」は実際にこの効用の恩恵を受けたお客様から伺う話なのです。どうしても欲しい「特定のアイテム」があり、それに熱心に取り組む方ですと、「ついつい」高いアイテムでも買ってしまいます。どんなものが?といえば、アメリカ軍関係で例をあげるすると、WW2アメリカ軍関係、短機関銃のショルダー式ポーチ(ミラー大尉のポーチっていう、あれです。)など、また、すでに異常人気は収まりつつあるとはいえ、もっとよくわかる例だとベトナム戦争アメリカ軍関係のライトウェイト・ラックサック、このところ沈静化してきたアイテムとしてはやはりベトナム戦争アメリカ軍関係の海兵隊ボディーアーマーといったところでしょうか。特にいままでそれほど珍品とはされていなかったのに、過去3年以内にその希少性が高まり急速に高額になったものにその傾向が強いようです。さらにヴァリエーション違い、というわけでもないのに、同じものをふたつ、みっつと、いくつも買ってしまう。これってありますよね。これを書かせて頂いているレコレクショヌールの担当者でも、やっぱり、「つい目にすると、欲しくって、おろおろしてしまい、結局自分のコレクションに加えるべく買ってしまう」アイテムはあります。この衝動って、なかなか自分でコントロールできないですよね。「珍しいものなのだ。高いものなのだ。」と考えすぎてしまうと、つい、判断力が鈍りがちです。オークションを通じての落札価格の観測はこういった自分の熱意による過度の購買意欲のカームダウン(冷却・沈静化)になりうるものです。関東のショーで、既述のような特定のアイテムに熱中していたコレクターの方がレコレクショヌールのブースにお越しになり、お探しのアイテムがあそこのブースで売っていましたよ、と情報を申し上げても「いや、もう○○はこのくらいでやめることにしました。」とおっしゃいます。「それはまたどうして?あんなにいくつも購入なさっていたのに。」とお聞きすると皆さんが「もっと○○が欲しくってオークションをみたら、もう人気アイテムでなくなったようでとても安く出品されていた、また入札価格のせり上がりも以前とはぜんぜん異なって高くならない。もっと極端だと、ちょっと高いとだれも入札せず、入札不成立で流れている。一気に冷静になった。」とのことで、この「オークションでの現勢取り引き価格を見て冷静になった」というのはお電話、お手紙、ご来訪の際の雑談などで大変よく聞く話です。以前のように「人気アイテム」は永久不変ではありません。コレクターの興味は常に「古くて新しいもの」を求めて変化しています。オークションは落札価格という動かざる事実により、このトレンドをはっきりと表します。これにより希少性に対するある意味の「焦り」をもつコレクターは減ってきているよう印象を強く感じます。でも逆にオークションによって今何が人気があるのか、高く取り引きされているのかという逆の利用法をしたら....。恐ろしいことになってしまいしまいますよね。

アメリカでのミリタリア取り引きとオークション

コンピューターによるオークションの普及は私たち日本人コレクターの社会以外でも、さまざまな影響をもたらしています。モラル上の問題からサイトなのでは申し上げられない話も多いのですが、最近複数の人間からよく聞くようになった話を1点ご紹介します。ミリタリアの世界では、良いことも、良くないことも発生件数が多いのがアメリカなのですが、アメリカ人ディーラーの間では、いわゆる大量購入、ロット買いができなくなったという話が頻繁に出るようになりました。私たちが取り引きしたりするアメリカ人ディラー、インターネットのサイトなどで日本人コレクターにも直接販売をしてくれるディーラーたちは職業ミリタリア販売者としては第2世代です。第1世代はというと、度の世界でもそうか知れませんが、倉庫業者です。彼らは大きな倉庫を持ち、そこへ入札などで手に入れた軍からの放出品をどんどんしまい込み、人づてに知り合った来訪者―これがアイテムの知識と販売相手である顧客をもつ第2世代のディーラーたちに、何十年もかけて、小規模に販売していました。今まで彼ら第1世代は自分たちものを売るというような主導権がありませんでした。ミリタリアに限らず、アンティックでは、まずそのアイテムが何なのか―identify(識別する)とその価値がどの程度なのかvaluate(価値を評価する)能力が必要です。倉庫業者の多くはこの2要素をもたず、価格設定も実際の販売もできませんでした。コンピューターオークションではこれらの専門知識はまったく必要ありません。画像を載せて、適当に参考価格を設定すれば、専門知識のある人が自由に、適正価格をつけてくれるからです。例をあげると、出品者が電気技師でも使うような「こ汚いベスト」だと思って20ドルをつけていたものが、次の日に入札結果を見てみると、3000ドル!がついていてびっくり!読んでいただいているかたにはお分かりいただける通り、これはDディ・アサルトベストだったわけで、倉庫業者の「おやっさん」はまず驚いてから、大喜び、さらに以前、20ドルで同じベストを売っていたことを思い出し、おやっさんの提示した値段を聞いて黙って買っていったディーラーの顔を思い浮かべ、差額の2980ドルを儲けたのかと短絡的に考えてひとりで怒り狂い、もう誰も信用するものかと、忙しく感情を変化させるわけです。そんなことがあったともしらず、いつもの第2世代ディーラーが「今度また日本人ディーラーが買い付けに来るから、おやっさんの倉庫で買出しでもしておこうか」とやってきても、理由もつけずに「帰ってくれ、もうおまえはうちの倉庫へは入れないわい。」となるわけです。倉庫業者としては自分のもっているものの価値がわかって、また今まで損していたと思われる金額もはじき出していますから、けんもほろろです。つまり、現役ディーラーにとっては安い値段でよいものを大量に、また商売として美味しい話がコンピューター・オークションの普及でできなくなってきている、ということです。でもこれはいい気味だ、などという低次元の話ではありません。つまり、上記の「コンピューター・オークションなら誰もが高値で、場合によっては適正にアイテムの換金ができる」状況下では、良質なコレクションを販売目的で入手するためには、お金が唯一の解決策になってしまいます。何でも高く買うから、うちへ持って来い、となるわけです。最近のアメリカ市場でのミリタリアの価格高騰は異常といえるものです。(eベイなどのオークションで見てください。)この高騰の原因は意外とハリウッド映画のせいなのではなく、こういったコンピューター・オークションによるアメリカでのダイナミックス(力学)の変化がその原因なのかも知れません。

日本国内、また世界中のミリタリア取り引きの現場で聞くオークションの話はまだまだ興味深い話が沢山あります。先ほど申し上げたように、モラル的に申し上げられないもの、まだ「時効」となっていないものをのぞいて、私たちディーラーにもお客様であるコレクターの方々にも有益で面白い話、また、皆で知識を共有していれば失敗やいやな思いをしなくてもすむことにつながることを、これからも「オークションの話」としてこのサイトでご紹介するつもりです。

important notice! レコレクショヌールはオークションによる商品の仕入れは行っておりません。また、出品による商品の販売も行っておりません。

 


 

〜コレクターとの会話・6 「オークションとコレクション」

「国内のオークションに参加したいのですが。」 / 「どんどん参加なさるべきです。」

国内ではヤフーオークション、海外では郵便による入札から始まって世界規模のミリタリアおよびアンティック・オークションとなって数十年のアメリカ・カンサス州のマニオンズ・オークションとインターネットの普及で急速に伸びたEベイ・オークションがあります。
レコレクショヌールでは、お客様にはこれらのオークションへの参加をご提案し、お勧めしております。トップページでも書かせていただいたように、現代はコレクションの新時代。コレクション対象となる品物の半数はコレクター、お客様がご自身で入手できる時代になっており、またそうすべき時代になっております。「やってみるとよいですよ。」とお勧めすると、「えっ、でもレコレクショヌールも商売なのに、どうして。」と心配してくださる優しいお客様もいらっしゃるので、ご説明すると、例として「ベトナム戦争関連のM56装備H型サスペンダーが欲しいのですが。」とお電話をいただいたとします。レコレクショヌールで入手するのは珍品の初期の溶接フックタイプかサイズLやXLの生産数の少ないものだけです。どこの軍隊でも野戦装備でサスペンダーは残存数が多いものですし、仮に最近サープラス店で見かけなくなったとしても、残存数と流通量はかなりあるものです。ヤフーオークションでのサーチをお勧めするとほとんどの方が価格的にも安くてよいHサスを見つけられてこられます。この「例」として挙げたHサスペンダー、他のカテゴリーのコレクターの方にわかりやすく申し上げると、WW2ドイツだと、将校用オーバーコートや兵用官給品雑のうやマップケース、WW2アメリカだとM28ハバーサック(最近は減ったかも)といったアイテムです。残存数の多いアイテムはオークションで探してゆくのが、コレクターにとっては時間的にも金銭的にも有利といえます。でもひとつ白状しますとレコレクショヌールの仕入れ担当者にとっては仕入れする品物の種類が減る、という裏話もあるんです。実際に国内オークションが普及してからレコレクショヌール担当社の頭の中にあるお客様の「ご依頼品リスト」の管理がとても楽になりました。でもこのリストその分「超珍品リスト」となってきていて、「いったいどのくらい時間がかかるのだろう。」と考えてしまいます。

オークションへの参加はコレクターにとって、経験値を積み、情報を収集する、という意味でとても良好な効果があります。オークションに出品した品物は、その説明文が入札の状況に大きく影響を与えることから、売り手が懸命に書くため、写真よりもこの文章にコレクションの世界での重要な常識や情報が詰まっているものです。売りたいがゆえの嘘などは慣れると以外にすぐにわかりますのでそれほどご心配はいりません。コレクションの充実を図ることは、決してお金とお買い物のことだけではなく、お金を使われるお客様が売り手以上に情報で武装し、さらに常識を使ってご判断をなさるものです。このことはお客様自身が資料や友人関係とを通じて身に付けられるもので、「トレーニング」が必要で、時を追ってレベルアップしてゆく「スポーツ」のようなものです。今から思うとレコレクショヌールの担当者も20年くらい前、個人コレクターとして海外オークション入札をしていたころがコレクターとして大きなステップアップをしていたようです。レコレクショヌールでご提供する品物のなかで、(お金の話をして品のないことを申し上げますが)WW2ドイツ・コレクションやアメリカ軍の状態の良い被服(未使用品、というだけで極端に値段が違いますよね。ほんとに高い。)、100%実物のローデシア軍コレクションといった、レコレクショヌールの広告をご覧になっているお客様が「いったいどういった人たちが買ってゆくんだろう。」と考えてしまうような高額なアイテムをお求め頂くお客様のうち、50%の方がこれら海外オークションでの入札経験者であられるという事実があります。しかし、オークションでは、ひとつ問題があります。私たちディーラーと個人輸入をしている個人コレクターが苦しんでいる様々なリスクをそのまま入札者が負わなければならない、ということです。しかし、このようなリスクがあっても、オークションには参加すべきです。レコレクショヌールの担当者も海外オークションで落札して、事情があって返品できなかったもののなかには今でも思い出すと激しい怒りを感じるものも確かにあります。しかし、コレクションの世界では100%リスクをさけることは残念ながら難しいのが事実です。ここではディーラーでも皆様コレクターでも、何の強弱のさもありません。また外国人ディーラーが悪いというわけでもありません。彼らが持っている日本軍コレクションも、「コメントを求められたらどうしよう。」と思うような気の毒なものも多々あるのです。

オークション―レコレクショヌールで時折ある困った話

レコレクショヌールは販売を目的としながらもミリタリア・コレクションに関することならどういったお問い合わせも歓迎ですし、誠実に対応しておりますが、大変困るご質問があります。ある日、Eメールのお問い合わせが来ていて、あけるとタイガーストライプの上着の画像が入っていて(例えば、ですよ。でもタイガーの画像ってこのケースで多いんです。)「いつもお世話になっています。(でも大抵の人が初めてお名前を伺う方です。)ヤフーオークションで出品されているものですが、これって「ほんもの」ですか。」という文章がはいっている、という事例です。困ったな、と思って返事を慎重に(どう慎重に、かは先を読んで下さい。)書こうと思って次の日になると、その方からお急ぎだったようで電話がかかってきます。もうしかたがありませんから、電話で思っていることを全部申し上げることになってしまうのですが。
「レコレクショヌールは規模は小さいですけど営利目的ですから、販売を目的として出品されている品物について意見を言ったり、ましてや真贋鑑定など絶対にできません。出店されている方の立場になってみてみてください。自分の出したものをどこかでだれかが真贋について語っているとして、それが原因で換金できなかったら?ご自身がその立場だったら、大変不快な思いをなさるはずです。」
さらに取り引き前の商品について第三者は何も言わない、というのは骨董業の鉄則でもあります。オークションは大人のコレクションとして、「リスクは自分で管理する」ということで皆さん参加なさっておられるはずですし。

それとオークションについて最後にひとこと。トップページでレコレクショヌールは海外オークションからの仕入れはしておりませんと申しあげておりますが、国内オークションでの「販売」も一切しておりません。レコレクショヌールの販売するアイテムは旅行の苦手な担当者がひぃひぃ言って海外から仕入れてきたものです。各地のミリタリーショーでの展示販売や雑誌の広告を通じてのお問い合わせ、また品物を見にショールームへお越し頂く方々など、「このアイテム、ひと品」を探していた方とめぐり合うために入手してきたものです。仮に販売できるまで時間がかかっても、ただ、換金するためだけにオークションにかけるのはつらいのです。

 


 

〜コレクターとの会話・5

「コレクションに対して家族の理解が得られないで困っています。特に結婚後はコレクションがかさばること、不潔である、また高額なものが多いので家計を圧迫するなどの理由で家族の説得に苦慮しております。」

レコレクショヌールお問い合わせ担当―この問題はミリタリア愛好家が何らかの形で抱えるものですね。「このコレクションのよさが解らないほうが悪い」という半分冗談のような声もよく聞きますが、当然ながらそれでは問題の解決にはなりません。また良さがわからないほうが悪い、と本当に思っている人はいないでしょう。ある意味で、軍隊の品物は人にいやがれるのは当然ですし、衛生上の問題も当然あります。お金がかかることにしても、傍らで見ている人にとっては、ましてご家族の方だったら、本当にご心配なことでしょう。こういった問題をかかえる仲間や後輩たちが過去にとった対策でもっとも効果的なものが、逆にその品物の価値をご家族に公開してしまうことです。こんなに高いものを、言われるのを覚悟で、価格公開を行った上で、レコレクショヌールが常に提案する「品物の2方向性」の実行をご提案します。つまり。骨董コレクションの1種である、という点を強調し、新しいコレクションを入手するのと同時に不要となったもの、長く所有していて納得したものをヤフーなどのインターネット・オークションへの出品、より良い方法として関東・近畿の販売ショーの個人ブース参加(地理的に制約のある方もいらっしゃることでしょうが。)などでどんどん処分し、換金してゆきます。これにより、まず、スペースの問題がわずかながらでも解決されますよね。また、コレクションにかける予算も還元→循環するこになり、コレクション貧乏(レコレクショヌールお問い合わせ担当喪仕事でミリタリアを扱っていても、いつも自分のコレクションのための予算は厳しいものです。)から開放されるかもしれません。そして何よりも、ご家族にこの趣味がお金を回収することができて、今コレクターが持っているものは将来換金できるのだ、さらに時間が経つと希少性が高まり、投資的な意義もあるのだということが示されることでしょう。あるお客様が年に何回かショーで不要コレクションを販売し、その売上を家族にみせ、家計の一部として提供したところ、以前は小言ばかりいっておられた奥様が、ショーの日の当日は朝早くお見送りをしてくれるようになり、コレクションについての小言もなくなったそうです。ただ、このお客様、売上の何分の一かしか「申告」していないそうですが。

 


 

〜コレクターとの会話・4

「タイガーストライプが欲しいのですが。」

ジャングルファティーグはこの世界に入ったときに古着屋で買った。その後新品に近いものをちょっと高かったけれども、ミリタリーショーで見つけた。たまたまサバゲー仲間が10年前に買ってもっていたERDL迷彩上下が安く買えた。さぁ次はタイガーストライプだ、と、ここでお問い合わせを下さる方が多いようです。ところがタイガーストライプは多くのコレクターが通ってくるコレクション発展プロセス、つまり熱帯戦闘服(ジャングルファティーグ)、ERDL迷彩服の延長線上にあるものではありません。国家が生産した生産した正規被服ではないタイガーストライプは、非常に多くのヴァリエーションがあり、最近のコレクターが資料として重要視する英語洋書「タイガーパターン」(ISBN番号0−7643−0756−8)の分類法でも最も大雑把な分類で5大パターン、ここからさらに細分化されています。(この本が出版されたのちもタイガーストライプの分類はさらに細かくなされるべき出るとの論争が欧米でなされています!)お金がかかるミリタリア・コレクションにおいても、タイガーストライプはお金と集中力をコレクターに要求します。現在、良質なミリタリア販売業者が多くなり、ミリタリーショーが各地で開催され、ヤフーオークションなど、国内でミリタリアが入手しやすくなり、ファティーグ→ERDLといった通常被服は手に入りやすくなりました。この通常被服の入手の容易さを海外旅行に例えるとパッケージツアーで適価で良いものを、とするならば、タイガーストライプはいまだにお金も時間もかかる客船クルーズといえるでしょう。タイガーストライプのパターンを理解して、ヴァリエーションを知り、また良いものをお金を使いすぎずに集めるとするならば、最低5年、10年はかかることでしょう。まさに大人の骨董コレクションの域に入ってしまいます。といっても他のベトナム戦争アイテムの質感と印象の全く違うタイガーストライプはコレクターを魅了するものです。タイガーストライプの魅力に「はまった」あとで、お金と精神力を使い果たし、もういやだと、この楽しいコレクションの世界から去って行ってしまうコレクターの方が多いのも事実なのです。とにかく何でも良い、タイガーストライプをひとつ買おうとしていたコレクターは、かならず、最初の1枚に満足できず、次の2枚目にも満足できず、その後何枚も購入してゆくことが多く起こります。これがその固体その固体で全く異なる官給品ではないタイガーストライプのファティーグなどと違う点で、ここで苦しむコレクターが多いのです。ここで、ミリタリア収集の大原則、ゆっくり、じっくりをお勧めします。タイガーストライプならなんでも、というのではなしに、どのパターンにご自身がご興味があるのかを見極める必要があります。例として、シルバーまたはタッドポールとよばれるパターンと、オキナワまたはジョンウェインと呼ばれるパターンでは基本反復がかなり異なり、これらを求めるコレクターの収集方針にもかなりのずれがあります。私たちコレクターは今現在は様々なものに興味をもってても、原点はかつて見た映像、またはたった1枚の写真に端を発していることが少なくありません。タイガーストライプの世界に入る前にもう一度、熟考を勧めします。

 


 

〜コレクターとの会話・3〜

「アメリカ軍M1ヘルメットが欲しいのですが。」

最近急激に増加しているこのお問い合わせ、1週間に2回はこの特定のお問い合わせを異なる方から頂きます。典型的な「最近状況が急変したアイテム」の例です。
「WW2当時のM1ヘルメットが欲しいのですが。」
このところ、WW2当時のM1ヘルメットは急速に流通量が減り、価格がせりあがっています。以前は程度そこそこ良好で50ドル相当であったカーキ・チンストラップ付M1ヘルメットはライナーともにWW2当事の生産品ならば150ドルは下らなくなりました。150ドルというと実際には2万7000円、かなり善意の業者でも販売するなら4万円を超えてしまう、という現状です。これでは迂闊に輸入できません。
「では、ベトナム戦争当時のものでも良いのですが。」
これがまた、ベトナム当時のヘルメット、ボール式レリース・を備えた外帽、ナイロン積層のライナーのヘルメットも、さらに80年代の改良内装を持ったライナーのものも、このところ一気に姿を消してしまっています!「えぇ!」と私たちも最初は驚いたのですが、このところ6ヶ月、既述のように頻繁にお客様から「どこの店にもM1ヘルメットがない。」とお問い合わせを頂き、アメリカや在ドイツなどのアメリカ軍関係を大量に持つ業者に問い合わせをするにつれ、その状況の深刻さに驚きました。先日電話をかけて来て、「専門工場がないと生産できないヘルメットは以前より、武器などと一緒に支援物資として海外へ流出していたため、この3年間で突然残存量が干上がってしまったのだ。」といっていたアメリカ人ディーラーがいました。このディーラーはいわゆる「倉庫めぐり」の業者で、サープラス専門の傾向が強いためあまり付き合いはないのですが、実際に100個くらいでは話にならないというような大量ストックの軍装品を扱っている彼なればこそ、この「消えたM1ヘルメット」の状況を肌で感じていたのでしょう。ケブラーヘルメットが使用されるようになってすでに数十年が経とうとしています。最近までは入手困難であるとは思わなかったM1ヘルメット、考えてみれば品薄になるまでにかなり時間的な余裕があったのかもしれません。

 


 

〜コレクターとの会話・2〜

「WW2ソビエト陸軍のコレクションですが、確実にWW2当時のものが欲しいのですが。」

最近急増したWW2ソビエトのコレクションをなさる方の特徴として、他のWW2カテゴリー、例えばWW2ドイツ、WW2日本軍など、枢軸国コレクションの経験者が多いような気がします。「45年の戦争終結以前に製造された実物が欲しい。」とい希望はコレクターであれば当然の気持ちです。しかし、ここにWW2ソビエト関係の大変難しい要素があります。WW2ソビエトの代表的な被服体系は帝政ロシア時代の階級章である、肩章「パゴーニ」を復活させた1943年1月15日制定服装規定によります。ところがこの規定は1954年まで9年間全く変更なく継続され、その間、ドイツ、日本と戦争があった当時とほぼ全く同じ被服装備が使用されていました。さらにソビエトの被服は製造・受領スタンプが押されていない例が多く、仮に押されていても水分にとても弱いものであるため、難読である例が多いのも問題です。
他の戦勝国、アメリカやイギリスなどは、基本的なものは踏襲しつつも、終戦後は早い時期に「平和時の軍隊」という印象をもたせるべく、基本被服を中心に改正を行っています。(アメリカのアイクジャケット、イギリスのバトルドレスの戦後型など)さらにWW2ソビエトに興味をもたれる方の多数派がWW2ドイツやWW2日本軍などのコレクション経験をもつことから45年の終戦というはっきりした体制変換に慣れているため、1943年から54年まで変化のないソビエト軍コレクションの特質は理解しづらい点があります。実物ドイツ軍コレクションで鍛えられたコレクターは素材の分析と、ミシン糸と使用ミシンの見極めにより45年以前の者を見極めようとすることもありますが、この鑑定法が実際には欧米でも十人十色、ショーなどでは隣接した2つの販売ブースでそれぞれ全く異なることを主張する場合もあります。
それでもどうしても、45年以前の生産品をさがすならば、以下の方法があります。
*43年1月型肩章式ギムナステョルカは、それ以前の折襟式ギムナステョルカを改造して、間に合わなかった生産を補おうとしているものがあります。このタイプを求める。
*アメリカ供与によるレンドリース素材、多くはアメリカ軍野戦シャツ用ウール素材ですが、これを用いたギムナステョルカを求める。
しかし、このような常に45年以前・以降について余りにも深刻に考え、疑心暗鬼に陥るのはソビエトロシアに関してはいつも良い要素とは限りません。コレクター自身が、自分の持つ印象に限りなく近いもの、納得のゆくもの、を求めるのがコレクションの重要な基本ですから、自分なりに条件を定め、その範囲内で収集物をスクリーンにかけていったほうが良いでしょう。この文章を書かせて頂いているレコレクショヌール担当者自身もソビエト軍コレクションの第1人者であるフランス人に「ソビエトのコレクションをするならば、ドイツ軍やアメリカ軍のコレクションでいままで築いた常識は一切通用しない。特にプレ45年、ポスト45年に関しては、こだわっていると逆にコレクション洗濯の実力がつかない。」といわれたけ意見があり、お客様であるコレクターのためにアイテムを選択していて、この言葉の意味がよく理解できるようになりました。

WWII ソビエト軍将校用ルバーシカ

 

 


 

〜コレクターとの会話・1

「ベトナム戦争当時の現地製ローカルメイド徽章類が欲しいのですが、いったいどれが実物なのか判別できず、知らずに複製を買ってしまうことが不安で手が出せません。実物の判定にはどういったことに気をつければよいのでしょうか。」

■ベトナム現地製ローカルメイドSSI類

ローカルメイド・インシグニアはベトナム戦争コレクションのカテゴリーでのみ楽しめるもので、ひとつひとつ違った印象を楽しめる、アートの要素をもったコレクションであるといえます。
その製法上の特性には
1)機械刺繍
2)手刺繍
3)両者の同時使用*図案などは機械刺繍、文字を手刺繍でしている例が多い。
上記1−3までカラー、サブデュード両者あり。
*南ベトナム陸軍インシグニア・コレクションで希求される織り出し(ウェイブン、またはWW2式呼称ヴェボ)、およびプリント・シルクスクリーンインシグニアは重要度の高いコレクション対象で、その真贋に関しても話題性はあるのですが、戦争当時アメリカ軍部隊での着用例が少ないことから次の機会に話題にします。


■魅力的なコレクション対象なのに、普及しないローカルメイド徽章

現在流通している「レプリカ」ローカルメイド・インシグニア(これ、変わった言葉ですが、こうしか表現のしようがありませんね。)は、ベトナム製の機械刺繍のものを例にとってもアメリカ人が現地でレプリカをオーダーしているルートとフランス人を中心とするヨーロッパ系ディーラーのルートと2系統があり、どちらも色彩、刺繍自体の再現性で独自の差異があります。これらの普及したレプリカははすぐによくできたレプリカであると見分けがつくのですが、問題は少数生産のものです。レプリカ生産の大原則として「採算が取れるか否か」という要素があります。例えばタイガースストライプのブーニーハットを作って人をだまそうとしても、時間とコストがそれに見合うとは限りませんから悪意ある複製に遭遇することは少ない。しかしインシグニアはとりあえずミシンか、手刺繍用の針糸があれば良いわけですから、資本投下はほぼゼロ、また達成すべき売値も10ドルもあれば良い、となれば、たった1点でも作られてしまいます。こういった1点ものレプリカは被服などの大きなものでも、実物素材を流用して製作したものは、製作した当事者が複製を宣言して誠意ある態度をとったとしても、その後転売され、「距離」(郵便封筒でも送れて、大量に送っても送料の安い布製インシグニアは輸出輸入がされやすい。)と「時間」(上記の複製コストの低さから、複製製造の歴史が長い。場合によっては戦争中からも?)に比例してコレクターを苦しめる悪意の複製になりかねません。このようにベトナム戦争ローカルメイド・インシグニアは、非常に魅了あるコレクション対象であるにも係らず、日本国内で普及度が低いのは、こういった悪意ある複製に対する警戒感からの恐怖心、さらにあきらめがあるからのような気がします。

■とはいえ、どれが実物か?

ミシンの性質や糸の質、手刺繍の特性などを慎重に見極め、「これが当時の実物である」と特定する方法は、きっとあることでしょう。しかし現在まで多くの鑑定方が取りざたされ、宗教論争のような話が世界各地で繰り広げられています。鑑定法の確立は大変な時間がかかるし、コレクターたちはそれまでに言語による助言に頼らざるを得ず、時間とお金を失う可能性もありうることでしょう。
レコレクショヌールがお勧めする方法は、「鑑定」よりも「対応策」です。
これは納得できる実物、だれもが好む、多数派に指示される「形式」のインシグニアの製法・構造の特性を把握する、という方法です。この「形式」とはミシン、手刺繍の糸運びを意味します。鑑定不能で入手するのが怖い、と思われがちな手刺繍も含めて、当時のベトナム人たちもお金を稼ぐ手段として職人技を磨いたのですから、お互いに技術を盗みあい、効率よく作りつつも綺麗に見せることを目指した、一定の共通性があります。この当時からの特性と、「言葉」で表現できない、現代の多くのコレクターの多くが実物の理想として認める形式を把握することです。いってみれば自分の前にたくさん出てくる、ローカルメイド・インシグニアのなかから、製法上の理想に近いものを割り出す「最大公約数」の要素を探すとでもいえるでしょう。この共通性はひとつでも多くのインシグニアを見て、頭の中のサンプルブックのページをどんどん増やしてゆくことになるわけですが、ここにおいて販売ショーへ脚を運ぶことや、友人・交友関係を広げることが重要になってくるでしょう。さらに多数派の人たちが好む糸使いのうち、「この点だけは譲らない」という特定の製法を決め、コレクションに加える際の基準にする自分だけの「こだわりポイント」を早い時期に確立することを目指します。
とっかかりのひとつとして、まずは100%実物だが、誰も欲しがらない不人気部隊のインシグニアを1点購入して見るのもひとつかもしれません。支援部隊などのインシグニアは安価ですから、授業料としてまず1点入手します。半日も触りまくって、よく観察してみたあとで、以前よりお持ちの複製インシグニアをごらんになってください。まるでメッキがはがれてしまったかのように、以前本物そっくり、と思っていたレプリカの見た目の印象が変わっているので驚かれることでしょう。また、次のステップとして、「実物は実物を呼び合う」という現象があります。次回皆さんがミリタリーショーへいかれた時には、お持ちの実物インシグニアと同じ特性を持ったものだけが白黒写真のなかのカラー写真のように目に飛び込んでくるようになります。

■布製インシグニアの観察の指針

ローカルメイドに限らず、アメリカ軍布製・刺繍インシグニアの現物を見る場合は以下のことに注意するとよいでしょう。この場合、視覚と触覚の両者が等分に必要です。
1)人差し指と親指でインシグニアの厚さを表と裏から触ってみる。刺繍部分と下地部分、末端かがり処理部分の差異を見る。特に裏側の特性把握は重要です。第一に服に縫い付けられたインシグニアはそれが見れないわけですから。
2)表面と裏面に親指を当て、徐々に力を入れてゆき、指のすべり具合を見る。これにより糸の材質@コットン糸の質A化繊糸の混紡の具合が解ります。
3)持ち主に断って(痛んでいるインシグニアは糸切れなどを起こして破損する場合があります。)インシグニアを「U]字型に曲げ、縫いこまれた糸を盛り上がらせ、以下の2点を見ます;
A.縫いこまれた糸の密度の高さ(一定区間に大量の糸が入っている)
B.糸の張力の強さ(縫いこまれた糸の引っ張られ具合)

 

上は、ベトナム戦争中に製造された実物インシグニアの例、3点。それぞれ特徴をとらえやすいものを選びました。右の第44衛生旅団より、あとはこのページをご覧になっておられる方には部隊の説明はいりませんね。

正面右サブデュード:ベルベット・タイプの例
―ベトナム現地製OD生地に本来は衛生をあらわすマルーン色を黒としている部分を、作業の簡素化、刺繍用ミシンのための資本投資を避けるために、黒ベルベットをミシンで固定している。中央の星(未確認だが、帰還するたの北極星といわれる。)は手刺繍である。黒パネル部分の固定と全体のシールド型の縫い取りは、既述したように刺繍ミシンではなく、被服製造作業のための縫製用ミシンである。中央部分の星は刺繍用太糸により、糸の密度(一定範囲内の使用糸の量)はそれほど高くない。構造を理解するために新品を示したが、この形式の使用品は新品とはかなり印象が変わるほど変化する。ベルベットは早い時期にすべて毛が抜け落ち、「グレー」に変化するのがこのベルベット使用形式の特徴であるが、その他の特徴は他のベトナム現地製インシグニアにも共通するものである。素材のベトナム製OD、これは意外と色落ちしない、かえってアメリカ本国製ユーティリティー生地のほうが「ブルーがかって」の色おちが激しいのでは、と思えるくらいである。ただ、素材の質感は大きく変わる。まるでガーゼのように腰がなくなり、柔軟化する。現代のアジア製生地のほうが上質であることから、使用品に関しては、触感、さわっての判断が必要であるといえる。手刺繍の糸の使用後の変化―自然素材であるせいか、糸切れなどはほとんどない。ただ、選択、使用、などの水分吸収とその後の乾燥により、糸が柔軟化してくる。手刺繍インシグニアを見る際は、指でU字型に反らせ、その糸運びを見る。当時の職人業は緻密でありこの糸がまるで「上質なかつら」のように均等に入っているのがわかるはずである。現代の手刺繍の技術、また素人つくりとは全く異なる。*ベトナム戦争手刺繍インシグニアといえど、慣れれば必ず判断できる。最も大事なのは自分の経験を常に成長させること、買い物以前にものをひとつでも多く見ることである。

中央カラー、ポケットハンガー
―本国SSIであったならば、工兵を示すよりはっきりした赤であったろう赤部分は少し朱色っぽい染めの弱い赤、ベトナム派遣軍を意味する十字軍の剣と、工兵の兵科章から発達した城壁は手刺繍、この城砦と剣の図案がもう少し大きければ、白い布をミシンで固定し、剣のつか部分のみを手で刺繍したことだろう。ポケットハンガーについては、複製の危険性が少ないことから、熱封入、サーモ処理によるビニール処理をしたものが好まれるが、当時のベトナムにおける刺繍とミシンとの関係にもみられるように、糸で固定したものの砲が実は多数派である。サーモ処理が好まれるのは日本において当時浅草の玩具店に米軍から発注されたというMACV、第1兵站コマンドなどのポケットハンガーが大量に日本に残っており、それらがサーモ処理であったから、という理由もあろう。ボタンホールのついたハンガー部分は写真のような、擬似皮革表面処理をされたビニール塗布コットンであることがおおい。これはこのアメリカ軍には珍しい形式の吊り下げ式外インシグニアがベトナム軍の徽章からもたらされており、さらに源流がフランス軍であり、そこではハンガー部分は皮製であったから、である。実際にこの部分に革を使用したハンガーも存在する。

正面左サブデュード
―現在は「そんなこといわれなくても知っている」というコレクターが多くなったものの、我々の先輩の時代には「ベトナム戦争ローカルメイド」といされていた第1世代サブデュード SSI(袖・肩方徽章)。本国製ユーティリティーOD生地に「刺繍ミシン」で製造。それ以前のカラーSSI、その後全世界のアメリカ軍で使用されるようになる統一サブデュードSSIと異なり、OD部分は生地の露出で表している。OD部分も糸で表す現代SSIと異なり、将校用兵科章や袖階級章と同じつくりである。10年ほど以前から、ミシンの質、未使用ロットの発見の状態、特にそのパックの仕方(糸で十字に留められている)などから本国製であるとの説が強まり、最終的にはアメリカ内の「製造していた工場」からの証言で「サブデュード第1世代」として定着した形式である。しかし先輩たちが誤解したのも無理はないほど、当時使用されていてそのまま残っている野戦服につけられていることが多い形式である。これには興味深い話がある。SSIは師団章である以前に国家を代表する陸軍の正式徽章であることから、国家紋章局によりサイズ、そして色が厳しく管理される。当然紋章局はベトナムで自然発生したサブデュード・インシグニアなど当初は認めるわけもなく、このサブデュード第1世代は当時2線級の刺繍工場で必要最低限だけ製造された。このため、サブデュード第1世代はベトナム派遣部隊のSSIがどれもまんべんなく、均等に存在する、 という訳ではない事実がある。よく見るのは第25歩兵師団、199歩兵旅団、MACVは新旧2種類などは、ご存知の方も多いだろうがしかし意外なことに第1騎兵師団などは数が少なく、珍品である。これにはこの師団の支援部隊が整備されていて、 SSIの現地生産のサイクルが安定しており、サブデュード第1世代の要求度が低かったという説があり、さらにだ1騎兵師団は第2次大戦時、戦車部隊であった時代に日本に進駐したため(当時の第1騎兵はSSIは同じでも第11空挺師団から発展したベトナム時代の空輸師団―第1騎兵とは全く別組織である。)沖縄に大量の「カラー」 SSIが残されていたため、このカラーを使用し、サブデュードSSIは必要数だけ現地調達すればよかった、という説もある。両者とも伝聞であるがこの大型師団のこの特定の形式のインシグニアの異常な量の少なさを説明するには説得力があるものといえる。またこの時点ではまだ断定できないが、「1枚も製造されなかった」とされているSSIもある。これらは「えっ、あの部隊が」と以外に思うような部隊である。我々コレクターはつい、現代の利益目的の一般商品のように「どんなものでも、右から左へ均等に同じ数、造られている」とつい考えがちだが、このサブデュード第1世代の製造に関しては戦地の現実感から始まったものだけに、あるべきものがないという状況がおこることになる。最後に、問題点がひとつ。この第1世代サブデュードはその構造と本国製ミシンの使用、という特性から、2000年代の現代に、よくできた複製を作りやすい、ということがある。よくできたレプリカは代用という意味で、また若手コレクターのため、コレクター人口の増加のため、リエナクターのためと必要なものである。しかし特に過去5年くらいで、以前はなかったこの形式が徐々に増えてきており、そのどれも全く偶然に、当時の実物に酷似している。アメリカやヨーロッパの本土で競争力がなくなった80年代の古い機会が中古で売りわたされてている国はいろいろなところにある。先進国のディーラーの支持で製造された代用品レプリカは第1の販売者が誠意も持って説明して売っても、インシグニア自体は2代目、3代目の販売者しだいで悪意を持ち、コレクターを傷つけうるものになりうる。また、それら先進国の注文を受けてインシグニアを製造していた工場もそれほど多くはない需要を満たし、欧米のディーラーに注文終了を通告されたあとでもそのまま残る生産ラインを使ってこのお金になる商品を作り続けたいと考えるのは当然だろう。また、コレクターはカラーのインシグニアにくらべて、機会刺繍のODベース関連にはあまり注意をそそがないようである。たしかに2003年の現代においてはこれらレプリカは、「だまされてもたかが知れている金額」かもしれないが、10年後、20年後にはどうなっているだろうか。現在はそれと解る単純なレプリカが、これらを造りうる古い機械や素材がなくなって、実物と見分けづらくなる時代―自分たちの次の世代がコレクションを始めるときのためにも、今、まぁいいではないかといわれているレプリカについても観察を怠らずに行くべきではないだろうか。

#2003/9/20追記

 

 

 


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